フィールド日記

スダジイ
ブナ科
Castanopsis cuspidata var.sieboldii
2002年9月27日
東京都 渋谷区
山渓ポケット図鑑「春の花」 608頁,「秋の花」 548,727頁




照葉林の重要メンバーの一員で
本州(福島県、新潟県以西)、四国、九州(屋久島まで)に分布する。
常緑の木はちょっと見るとみな似た感じだが、
スダジイは縦皺のある黒褐色の幹、
葉裏が茶色をおびた濃い緑の葉などの特徴からすぐわかる。

シラカシなどコナラ属のドングリははじめ緑色で徐々に色づいてくる。
スダジイ(シイ属)のドングリは
殻斗に包まれていて熟すまで見えないが
秋になり殻斗が裂けると
すでにこんがりチョコレート色に色づいている。

またコナラやシラカシのドングリは春の花がその秋に実るのだが
スダジイのドングリは前の年の春の花が一年半かけて実る。
炒ると香ばしく、食べられる。

東京の中野区でそだった親戚の叔父さんが
子供のころは戦後の食糧難で
スダジイの実を神社の境内でとってきて
食べたことが懐かしく、
今でも時期にはとりに行くと話していた。

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