フィールド日記

ヤクシカとニホンジカとを考える

2007年12月27日




ナンテンの赤い実(白バック)
千駄ヶ谷にて


先日Tanaさんから鹿の食害の問題でメールをいただき
それをレンゲツツジは鹿が食べるか?
として載せましたけど・・・
その後我が家に送られてきた
‘屋久島野外活動総合センター’の機関紙‘YNAC通信’のなかに
「ヤクシカと折り合いをつけた森」文・小原比呂志氏があり
それが面白かったのです。

それによると 取り返しのつかないような日本各地の鹿の食害による環境破壊の状況は
屋久島の森の状況によく似ているようなのです。
屋久島の林床にはアセビやシキミ、マムシグサ、ハイノキ、ツツジ類など
有毒植物が多い・・・
土壌は流失し常に薄く、谷すじでは土石流が起こりやすい。
そしてヤクシカは、
シキミやツツジ類など有毒植物もけっこう平気で食べてしまう・・・
屋久島では、シカの食圧は「害悪」ではなく「環境」なのである・・・とのことで、

屋久島の状況から考えると
今、日本各地でニホンジカが増えて食害が進むと
屋久島のような植生になっていくのかもしれないと思ったしだいです。



23:06 2007/12/27 記


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このことに関してTaka氏からメール(2007/12/28)が来ましたので転載します。
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>屋久島は全山花崗岩ですから、もともと土壌は流出しやすいはずです。
>降雨量もけた外れに多いです。
>ヤクジカはそこそこ人間に食われていたと思います。
>20年近く前には、ヤクジカの焼き肉が食べられるレストランもありました。
>今はかえって狩猟しにくいのかも知れません。
>鹿の食害といえば、1000年前から鹿の圧力を受けている金華山島がありますが、
>そういえば金華山にはヤマツツジがあっても、レンゲツツジは無かったですね。
>ヤマツツジのほうがレンゲツツジより毒性が強いのか、
>それとも初めから金華山にはレンゲツツジは無かったのかはわかりませんが。
>鹿の食害について考えるなら、金華山島に行くと、とってもおもしろいですよ。
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