フィールド日記


命つきる鮭

2004年10月29日


断崖に咲くハマギク
茨城県十王町の鵜の岬にて。

壁紙になります
(壁紙にする方法)
800 x 600
1024 x 768

秋の海の花が見たくて
常磐線で茨城県の海岸に向かいました。

十王駅でおり自転車を組み立てます。
海岸までは2〜3Kmほどで
自転車だと気楽な散歩気分です。

十王川沿いの遊歩道を走っていると
くたびれてよれよれの感じの鮭が
川を登るでもなく下るでもなく
泳いでいて
結局、
水の流れのままに下っていきます。


ふらふらと泳ぐ鮭

僕はその魚を見失わないように
自転車を押しながら下っていきました。

河口近くになると
水の流れのよどんだ淵がありました。

その水底には
こうしてたどり着いた鮭なのでしょう
何匹も横たわって死んでおり
この鮭も
海に戻るでもなく
上流に上るでもなく
よたよたと泳ぎながらただよっています。


死んで横たわる鮭(右)とふらふらと泳ぐ弱った鮭(左)



水底で死んでいる鮭たち


産卵がすんで
死に場所にたどりついたということなのですね。

産卵のためにやっと川にたどり着いたとたん
簗(やな)で一網打尽につかまって
腹をさかれて人工孵化されるより
自力で産卵して
自然に死を迎えるこの鮭たちは
幸せな気分なのでしょうね。


十王川河口


20:35 2004/10/29 記
帰りの常磐線内にて


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