フィールド日記

傷を生産しているんじゃないですかね

2008年5月18日


朝日に赤く染まる鹿島槍ヶ岳
長野県大町市の黒沢高原にて



今日見た花1・ムラサキヤシオ
大町市の黒沢高原にて



今日見た花3・ミツガシワ
大町市の居谷里湿原にて



今日見た花2・畦に咲くスイバ
大町市の二ツ屋にて


上高地、戸隠、大町市周辺と
長野県の春の花をめぐった今回の旅は
天候にも恵まれ、花にも恵まれ
グッドでしたョ。

今日めぐった大町市周辺は
学生時代からよく通った場所で
フィールドのあちこちで
昔のことを思い出します。

そんななかで印象深いのは
自然が昔どおり美しいことです。

人の手が加わっていない場所にたつと
昔は植物のことをあまりしらなかったので
そのころ見過ごしていた花が
今はいっぱい見つけることができて
昔感じた自然よりもっと奥が深くて美しく見えます。

しかし、当時開発されていた場所で
今は廃墟になったところは
自然の力では回復不能の金属ゴミなどが
森の中で不気味な姿をさらしていて
昔、よい所だったのに
おぞましい場所にかわっています。


大阪の淀川善隣館の開発したリゾート地の本部痕



鉄製のバンガローの廃墟



木造施設がつぶれ、材木は土にもどりはじめ
中にあった洗濯機や冷蔵庫が姿をあらわしている


こうした廃墟はたとえ1000年たっても
土に還ることはないでしょう。

ひょっとしたら、今生きている人間たちは
日本中、いや、世界中の安定している自然に
こうした傷をどんどん生産しているんじゃないですかね。

    ・ ・ ・

今、高速バスで新宿に向かっています。
今回も写真をいっぱい撮ったので
明日から整理作業がタイヘンだぁ・・・



21:37 2008/05/18 記


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