フィールド日記

生まれ変わった‘ちいさいおうち’

2006年9月25日
東京都 渋谷区


朝の光りを受けて存在をアピールするチカラシバ。
代々木公園にて。




子供のころ一度ワシントンハイツに入ったことがあります。
ワシントンハイツというのは
第二次世界大戦の後アメリカ軍の宿舎があったところで
それはいまの代々木公園なのです。

ボクが小学校3年生のころでしょうか
母と明治神宮を散歩していて
そこで偶然アメリカ人の母子と知り合い
明治神宮の隣にあったワシントンハイツの家に招かれたのです。

広々とした芝生に点々と建つ木造住宅の一軒でした。
その家の子はボクと同い年くらいの男の子でしたが
子供部屋がありおもちゃがたくさんあります。
居間にはカラーテレビがあり
大きな電気冷蔵庫や電気洗濯機も
まるでそのころのアメリカのテレビ番組
「ウチのパパは世界一」や「ルーシーショー」の背景そのままです。
そのとき見た家は‘ちいさいおうち’ではありましたが 豊かさを代表する夢のような家に見えました。

そしてその一軒が今でも代々木公園に残されているのです。


なつかしいワシントンハイツのころ見た家


代々木公園となったこの場所は
戦後米軍に接収され
米兵の宿舎とされていましたが
返還され、東京オリンピックのときに
その施設は選手の宿舎として利用されました。

そして、オリンピックの記念として一軒だけ残されたのです。

しかしその家はくたびれはててぼろぼろになり
まわりにゴミが捨てられ
ちかくでボヤがおきて荒れ放題でした。

それがなぜか去年の暮れから整備を始め
この‘ちいさいおうち’を中心にすえ
小公園に生まれ変わったのです。


小公園に鎮座する化粧直しをした‘ちいさいおうち’


この‘ちいさいおうち’の前を通るたび
バージニア・リーバートン作
絵本「ちいさいおうち」を思い出してしまいますョ。



 記


フィールド日記の目次に戻る●

次のページ
前のページ

[植物写真家 鈴木庸夫の自然を楽しむ]のトップページへ行く

Google
WWW を検索 鈴木庸夫の植物図鑑 を検索
Top page (English)