フィールド日記

人間は発表する生き物ですね

2004年9月6日


ブルーが涼しげなヤブランの花
新宿区の高田馬場にて

先日、ある月刊誌から
「写真を撮るにあたって
表現へのこだわりについて
書いてください」
との原稿依頼がありました。

テーマを聞いて
キーボードを前にして
‘はて!?’
と考え込んでしまいました。

長いこと、毎日毎日カメラを片手に
何かにレンズを向けて
シャッターを切っているわけですが
なんで毎日そうしているのか
‘メシのタネ’と言ったらそれまでですが
飽きずになんで続けているのかというと
その理由がよくわからないのです。

そして
動機と行動をよくよく考えてみると
結局、‘見てほしい’から
という結論に達しました。

僕の撮った写真が
何らかの媒体で人の目に触れるということ。

カレンダーなり
図鑑なりで
写真に価値を見出していただいて
撮ったものを見てもらえる
ということが面白くて
撮り続けているのだと思えたのです。

野生動物は
子孫を残し
いい環境で、飢えずに、命を永らえられれば
まず幸せでしょうが
考えてみると
人は表現して発表しないと
生きていけない動物なのだと思います。

僕は写真展というのはやったことがなく
発表手段としてはほとんど印刷物なのです。
しかし、ためしにはじめたこのホームページは
最近は重要な発表の媒体として
意味を感じています。

カウンターは公開していませんが
「昨日は日曜だったのでちょっと少なかったけど
今日はけっこう見に来てくれたなー」
などどいうのが励みになっていて
ときどきいただく感想のメールなどに
一喜一憂しているのです。

毎日ゼロだったら
すぐやる気をなくしちゃいますよね。

ところでさっきの話の、
僕の文章と写真の載っている雑誌は
月刊誌の‘山と渓谷 9月号’です。
機会があったら覗いてみてくださいね。

22:10 2004/09/06 記

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