フィールド日記

古い団地の緑・その2
トップページの文を転載しました。

2003年2月19日
東京都 新宿区


建て替えられた団地

昨日の続きです。

上の写真の出来たて団地は
やはり仕事場のそばの東京都の
古い団地を建て替えたものです。

ここも以前はうっそうとした落ち着いた
緑の団地でした。

今日は
昨日紹介した団地にもまた足を運んで
住んでいる人と
世間話をしましたが
その都営団地は
昭和27年に出来たそうで
50年たっているわけです。

住人もだいぶ高齢化のようで
前庭は菜園、花壇、と
大きく育った花木、果樹などの
樹木がうっそうとしています。


ナツミカン、柿、ザクロなど果樹がたくさんある。


ヤブツバキなどの花木もたくさん生えている。

この団地の行く末を伺ったところ
もうこの一部が取り壊され始めているようで
いずれぜんぶ建て替えの計画があるそうです。

後世に残すべき自然というものは
上高地や尾瀬や大雪山など
人が足を踏み入れずに残っていた
手付かずの大自然ばかりではなく
街や里の人の住んでいる中で
野生動物たちと人間が
バランスを保って
共生しているところも
守るべきだと思います。

  近年、田んぼや谷戸
雑木林などは守るべき対象として
目を向けられていますが
都市や都市周辺の開発では
なぜ長いことかかって
築かれてきたバランスを
いとも簡単に壊してしまうのか
ぼくはわかりません。

いずれここで生きていた
鳥たちは生活の場がなくなり
地中で
春を待つガマガエル
夏を待つセミや
秋を待つコオロギたちは
みんな
ブルドーザーにつぶされてしまうのでしょうね。

そうした破壊をたくさん目撃してきて
僕は悲しいです。

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