フィールド日記

シキミ
マツブサ科(←シキミ科)
Illicium religiosum
2002年2月17日
東京都 渋谷区
山渓ポケット図鑑「春の花」556頁「秋の花」706頁





私の散歩コースの一つに近所の神社から隣にあるお寺へまわるというのがある。
どちらともひいきはせず両方にお参りをして境内をゆっくり散策させていただく。
それぞれに多くの植物が自生していて、植えられたものも面白く飽きることはない。

神社にサカキはきっても切れない関係だが、
寺院にもハスを始め寺のイメージとセットの植物が多い。
シキミもその一つだが僕はどうも陰気くさい感じがして好きな植物ではなかった。

しかし九州の福岡県にある釈迦岳という奥深い山に
5月の始めにツクシシャクナゲの撮影のために登った時、
ちょうど花の盛りの自生のシキミと出会ってから印象が変わった。
植えられたものより枝振りがすいていて
明るい雰囲気でバランスよく咲いている花はなんとも上品だった。
そして、何よりもあるべきところであるべき姿で生きているということが感じられた。

それ以来それまでの先入観がくつがえさて、
近所のお寺で見るシキミにも好感を持つようになった。

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