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【11年秋の利根川自転車の旅】




日 時:10月8日(土)12:30〜9日(日)17:00
場 所:水上駅〜沼田〜渋川〜利根川自転車道〜関宿〜江戸川自転車道〜妙典駅
距 離:水上駅〜約65km〜東部スポーツ広場〜約132km〜妙典駅
標 高:水上駅500m、妙典駅5m
自転車:20インチ折りたたみMTB
装備類:小テント・ガスコンロ・チタンクッカー・インナーシュラフ・エアーマット・ヘッドライト・軽ダウンジャケット・修理材他

これまで川沿いに随分と自転車の旅をしてきた。
都内中小河川・多摩川・荒川・那珂川・興津川・安倍川・大井川・天竜川・長良川と。
川沿いの道は、殆ど快適な下り坂である。
但し、大井川は別で集落へは下り坂だが、次の集落までは必ず上り坂だった。
延々と河口まで続いたが、これは道路の距離が短く工事費用が安価に済むからだろう。
近くて残っていた、大河である利根川を今回の旅に選ぶ。
サイクリングロードが整備されているのをネットで判った。
以前に筑波からの帰り道で、守谷付近の利根川の土手道は、ジャリ道だったが。
最上流から水上までと関宿から銚子までは、次回以降に残した。
臨時列車でD51498が牽引する「SLみなかみ号」が
8日高崎発09:56・水上着12:04と丁度良いのを見つけた。
10月5日ネット予約で空席を確認して、
指定席(510円)を確保した。
私は、「乗鉄」である。
JR2万キロの内、半分の1万キロは乗ったかどうか。
まだまだ、乗りたい所や車両がたくさんある。

 

高崎駅では出発40分位前からD51498(昭和15年鷹取工場製)が
単機で、6両の客車の入線を待つ。
客車の最後尾は電源車で全車クーラー付。
運転手と補助手は共に20〜30歳台と若い。
運転技術の伝承ができているようだ。
SL人気で混むと思ったが、満席では無かった。
黒煙と共に懐かしい「石炭臭」を嗅ぐ。
ボッーオゥーと、語尾の上がる「昭和の音」を聞きながら、
旅情と共にゆっくりと列車は走り出す。

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時速は最高で40kmくらいでのんびりである。
運行維持の努力に感謝するが、71年使用の為に機械寿命もあろう
し、改修費用も嵩むだろう。
好天であり、沿線も「撮鉄」で賑わうが、手を振る幼子連れのSL見物も多い。
撮影の終わった「撮鉄」も10人に1人位で手を振る。
新幹線や特急列車を増発する効率優先のJRは、手の掛かる
SLの乗客が少なければ、そのうちに運転終了とするだろう。
運転終了となれば、「SLの撮鉄」も楽しめない筈。
車で来る「撮鉄」も多く、珠には運転維持に「運賃」等で
貢献するのも一考か、満席でないので少し心配し出す。
線形がカーブする上り坂辺りやトンネル出口や鉄橋付近は、
「絵になる」場所。
バイクで先回りする「撮鉄」もいて、新前橋辺りと敷島辺りで
見かけた。
渋川と沼田間はトンネルが多く、煤煙避けに窓閉めする。
42年前に廃止された記録があるが、50年以上前に旧両国駅から
親父の故郷の五井方面へ蒸気機関車に乗った記憶があった。
重なり擦れる連結器の鉄板から火花が出ていた。
水上駅に12:04定刻到着して、大勢の乗客の最後に
輪行袋を担いで駅を出る。
駅前で自転車を素早く組み立てし、小ザックをハンドルに
固定する。
300m先の転車台で方向転換し、上り15:20発となる
給水・整備中のD51498を見送る。
Tシャツの上に薄いナイロンパーカーを着る。
快晴なのでオキノ耳・トマノ耳もはっきり遠望できる。
諏訪峡大橋で「バンジージャンプ」を見物。
1回目7,500円、2回目以降4,000円。
体重制限あり、105kgまで可。
資格を超えてはいないが、仕事で飛ぶ「芸人」ならいざ知らず、
他人の仕掛けに命を任すのはヤダなぁ。
のんびりと快適に車の少ない下り坂を沼田駅まで下る。
翡翠色に輝く川床の小川を橋から覗く。
R17線と合流するが、旧道を走る。
14時頃に沼田駅前に着いた。
20数年前の春、尾瀬の帰りに沼田駅前の「山彦」に来た。
ここは、「山渓(山と渓谷)」のバックナンバーが月毎に見られる。
1979年以降が多いが、32年分の本が棚に積んである。
ここは、「とんかつ定食(950円)」がすごい。
1930年生まれの店主が元気で、分厚い豚肉を揚げる技術は健在だ。
丼飯の量も多く、気合を入れて完食す。



夕暮れも近いので、早く走れる国道を行く。
渓谷美もままに、恐怖のトンネルを通る。
トンネル内の幅員は比較的広いが、
木材を積んだ大型車両が怖い。
以前、山梨の山道で荷を固定したワイヤーが切れ、
丸太が谷に落ちるのを目前で見たからだ。
渋川バイパスの「道の駅」で休む。
15:20「下郷」交差点辺りから「利根川自転車道」が始まる。
満腹の昼食だったが、明日の買出しも必要で
コンビニを探すが無い。



坂東橋で右折、八木橋駅方向で商店を見つける。
2Lの水・カップ麺・酎ハイ・魚缶を購入し、
ザックの上に置きながら、袋を握り締めて走る。
夕暮れ時になり上着を着るが、前橋市内に入り
散歩者も多くなる。
公園にテントを張る予定だが、人家や夜間の
暴走族も避けたい。
17:30東部運動広場の最奥部の一段下がった林に小テントを張る。
外張りが濃緑色なので、目立ちにくい。
自転車をテントの裏に寝かせ、鍵を掛ける。
すぐに夜の帳がやって来た。
マットに極薄のインナーシュラフ(中に新聞紙敷く)、ダウンを着込んで落ち着く。
コップに酎ハイ2杯飲んで、寝る。             
爆音バイクが深夜まで鳴り響く。
公園内にも原付バイクが入り込むが、やがて去った。

朝5:00にコーヒー・カップ麺を食す。
快適なテント場だ。
下流の五料橋で左岸へ渡れば良かった。
右岸のまま進み、烏川・神流川を遡ってかなりロスをする。
斜長橋で美しい坂東大橋を越え、上武大橋の南詰のコンビニで
おにぎり等を購入し、グライダー滑走を見ながら食す。



ワイヤーで牽引する方法と軽飛行機と同時に飛び立つ方法がある。
Tシャツで十分な暑さだ。
1964年東京オリンピックの頃、確か水不足があった。
その後、都民等の飲料水用に利根大堰から利根道水路で荒川へ。
毎日、利根川水系か荒川水系の水を飲んでいる。
感謝・感謝である。
10時前に羽生の「道の駅」に着き、焼きまんじゅうも食す。
2時間間隔で空腹になるようだ。
この辺りの河川に近い所は駅からも遠く人家も少なく、牛舎が多いのも頷ける。
牧草地も近接地にあり、巨大な円柱状に刈り取られてビニール詰めで野積されている。
牧草が屋内に保管されているかは不明だ。
横風がやや強くなるし、そろそろ尻も痛む。
東武日光線とJR東北線との鉄橋の間、
対岸から流入するのは渡良瀬川。
約5km北上すると、広大な遊水地だ。
すれ違うサイクリストと会釈すると半分応答ある。



この道には地図が少なく所在地が掴めない。
河川管理局の注意看板は多いが。
羽虫が多くトンボも多い。
服に付いた羽虫を払いながら走るが直ぐに付く。
目安としていた12時過ぎに関宿の分流着。
ここから江戸川自転車道も始まる。
2時間が過ぎ空腹となるが、コンビニ無し。
13:00宝玉花橋を渡り、四季縁野田店に入る。
600円で8種類のランチセットがあり、
100円追加でスープをラーメンに変えた。



ランチは「黒酢豚・醤油ラーメンセット」。
然し、麺は「茹で過ぎ」だ。
普段は「硬メン」を頼むのを忘れた。
レジ脇に持ち帰り用に空容器が積んであった。
大盛りの場合、食べる順がある。
@	麺が伸びるので素早く片付け、スープを残す。
A	餃子を御飯と交互に食す。
B	口直しに「杏仁豆腐」や「漬物」で味変する。
C	最後に酢豚の濃い味で残りの御飯を食す。
D	玉ねぎとラーメンスープを残したが。
700円はお値打ちで、夕飯要らずだなぁ。
林立する高圧線の鉄塔の影から、薄く「スカイツリー」を見る。
東京が見えたが、まだ20km以上はある。
葛飾区から江戸川区の土手道は、多摩川と同じで混む。
やっと東西線の鉄橋から土手を降り、「妙典駅」に17:00着く。
中野駅から最後のペダルを漕いで、自宅の風呂で汗を流す。
大盛り飯が続いたが、それでも体重が2kg減っていた。
夜半に空腹になり、静かに冷蔵庫を開けた。






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