------------------------------------------------------------------------


【入笠山(山スキー)】



日時:06年1月8日(日)08:40〜13:30
天候:快晴、風弱し
場所:長野県富士見市 入笠山(ニューガサヤマ)標高1955.1m
行程:林道冬季終点約1470m〜入笠湿原〜入笠山〜大阿原湿原分岐〜林道1470m
参加:リーダーのNaga氏、鈴木氏、Furu氏(古くからの山仲間)、私(ishi)の4名

実は、リーダーのNaga氏を含め全員が、「安達太良山」方面に行くつもりでいたが、冬型気圧
配置が強く、スキー場のゴンドラが「強風で頻繁に運転中止をする」との情報を入手。
東北道の二本松まで出掛けて、「アテ外れ」で下から登行しては、何時に戻れるか疑問だった。
日帰り山スキーが、できないかも知れない。
リーダーから、あっさりと「入笠山に変更」の連絡が、前日の夜に入った。
私は、入笠山には05年11月4日の無雪期にトレース済み。
鈴木氏も、昨年3回入山している。
Naga氏も湿原に来ている。
Furu氏の娘がキャンプに来ているが、本人は来ていないようだ。
自由な時間が取れ易くなったFuru氏は、鈴木氏に「遊んでおくれ」とラブコールをしていた。
「山スキー&自転車」にタップリと装備を揃えるつもりのようだ。

我々は、日帰りでも行ける所へ前夜から雪上キャンプも楽しむ。
焚き火が理想的だが、乾燥期であり「炭火」で我慢。
七輪と炭2箱も用意してある。
郊外のNaga氏宅に10時30分に集合。
早速、近所のスーパーで買出し。
食当(食事当番)の私は、宴会食中心に「鍋」「煮込みうどん」「酒」等を購入。
行動食(山スキーでの間食・・・非常食も兼用し何時でも食べられる菓子・つまみ類)は、既に
前日に4人分を袋詰めして準備していた。
中身は、甘い物系:大福・羊羹・飴・チョコ・クラッカー・ビスケットであり、
辛い物系:サラミ・煎餅2種・茎昆布・鮪珍味である。
3連休の初日であり、ゆっくり出発して朝の渋滞を避ける。
案の定、中央道の「韮崎IC」まで渋滞なし。
Naga氏は「場所探し」の名人でもあるが、本日は林道終点にする。
数台が止まっているが、人影は少ない。
車の脇の雪を均し、テント場とする。
トイレもあるが、扉が閉まっている。
水は6L買ってきたが、綺麗な雪でも「水」は作れる。
若干?のアクシデントもあり、ゴアの4人テントを張る頃、日は山の陰に落ちる。
16時頃から炭火を囲み、宴会開始である。
ビールで乾杯するが、皆焼酎のお湯割となる。
七輪料理で、「おでん」・「焼鳥」・「ししゃも」・「牡蠣炒め」・「鯖の味醂干し」・「焼き
餅」と続く。
「鍋」になる頃には焼酎が空き、ダルマ(S社ウィスキー)のお湯割に移る。
「七味唐辛子」をたっぷり振りかけて食す。
テルモス(魔法瓶)2本にお湯を満たしておくが、なくなると補充する。
三日月と冬の星座「オリオン座」らが瞬くが、風がないので厳しくはない。
皆、羽毛服(ダウン)を上下に着て、象の足(ダウンシューズ)まで履く。
腰掛の下は、断熱マットである。
七輪に山のように「炭」をくべると、小さな焚き火のようになる。





七輪


趣味の話などで、話は尽きない。 21時過ぎに、お開きとなる。 テント全面にマットを敷き、ゴアのシュラフカバーの中の羽毛シュラフに、厚着して潜り込む。 互い違いに寝ると、両脇の仲間の肩が当たらず、寝返りも打てる。
テント


    ・ ・ ・

学生時代の冬山合宿では、水の入ったポリタン(水筒)や山靴を頭や足の下に置いて寝た。 防水の悪い靴の持ち主の中には、寝袋の中に入れていた。 翌朝になっても、それが凍らない為であった。 ラジウス(石油コンロ)の置いてある場所は、シートの下の雪が、熱で凹んで水が溜まった。 寝る前に溜まった水を掻い出したが、少しは残った。 ゴム引きのエアーマットで防げたが、マットに穴の開いてしまった時は、更に悲惨であった。 交代で、その場所になるが、合宿の後半は皆シュラフが濡れてしまった。 キスリング(ザック、帆布製で間口が72cm・・・通称2尺4寸と言っていた)も凍ってしまい、 「バリバリのテント」を詰め込む為に、キスリングをラジウスで炙って解凍させた。 家に着いても、ザック中のテントが、まだ凍ったままだった。 八ヶ岳の合宿の直後、鈴木氏とNaga氏と私で残った食料と小さなカマボコ型テントで数日過ごした。 野菜と油があり、狭いテント内で「天麩羅」を作った。 つなぎに何を使ったかは忘れたが、熱々の美味しい天麩羅だった。
35年前の八ヶ岳天狗岳


35年前の山岳部8人衆


    ・ ・ ・

夜中に起きても、星空は変わらない。 月が隠れて、更に星が増えていた。 何時もは、自分からは起きないNaga氏から、珍しく「もう、起きようぜ。」と声がかかる。 6時であった。 良く寝た。 4人とも、寒くはなかったとか。 30年前とは、大分違う。 コッフェルもペットボトルも凍っていた。 炭火で「鍋」の残り汁に「具」と「出汁」を足して、うどんを入れる。 各自、2杯食す。 焼餅とコーヒーで腹を満たす。 テルモスにお湯を入れ、行動食を配る。 ここから、登山道を高度差500m登る。
登行


スキー靴の入ったザックに山スキーを両脇に固定して、8時40分頃に出発。 登行兼用のスキー靴であるが、登りには適してはいない。 各自、山靴・長靴・スノートレ・ウォーキングシューズにスパッツ(雪避け用の筒状の布)を着ける。 トレースが残り、踏み固まっている。 しかも、朝なので雪も硬い。 しかし、 木の枝に長いスキーが引っかかり、歩き辛い。 30分毎に休憩して、3回目には難なく「入笠湿原」に出る。 静かな湿原(今は雪原)で、大休止。 缶ビールが、コップの中で「シャーベット」状になる。 フローズン・ビールである。 歯に凍みる。 鈴木氏は、新品のシール。 Furu氏は、新品の山スキー。 雪原を見て、2人は山スキーに履き替えて、山頂を目指した。 Naga氏の秘蔵のホット・スコッチウィスキーを呑みながら、風除けの山頂下で随分待った。 「ヘロヘロ」で、スキーを脱いだ、2人がやっと来た。 急坂でシールが働かず、苦労したとの事。 ここから、駐車場まで山スキーで下る。 初めは、樹林帯の中を暫く下る。 林道に出ると、ほっとする。 これから約7kmの下りである。 雪面には、キャタピラの跡があり、スノーモービルが走っている。 いい調子で下り、ブレーキが掛けられない場合、スノーモービルと衝突もあり得る。 ブレーキを掛けながら、カーブを回る。 一気に駐車場まで、下り降りる。 Furu氏が付いて来た。 暫くして、鈴木氏とNaga氏が来る。 フォッサ・マグマの湯「塩沢温泉」で、汗を流す。 充実した「山スキー」であった。
------------------------------------------------------------------------

●Ishi紀行・目次に戻る