------------------------------------------------------------------------


乗鞍岳山スキー




日時:07年4月7日(土)14:00西国分寺駅〜8日(日)20:00西国分寺駅
参加:ISAO氏、Na氏、私
行程:8日07:00駐車場約1500m〜13;15肩ノ小屋約2900m〜14:30駐車場

山スキーに行きたがっていたFu氏は都合が合わず、今シーズン初の山スキー行に期日前投票を
済ませた3人がJR西国分寺駅前に集合した。

【花より団子】
東京の桜は、桜吹雪で葉桜に移った。
西に向かう中央道の車窓からは、標高が上がる高尾辺りで3分咲きとなって、まだ楽しめる。
長い笹子トンネルを抜けると、勝沼の台地から「桃の花のジュウタン」が丁度見頃だった。
早速、立ち寄る。
釈迦堂のSAの上、博物館のまわりは高台であり眼下を見渡せるが、そこも一面桃畑であった。






花好きの2人の目の輝きが変わる。
いつものパターンである。
この分では、30分では終わらない。
梨の花や他の花も咲き誇る。
農家が出店を出しており、「草餅」の旗に誘われる。
10cmはあろうか、大きな草餅(130円)を3ヶ買う。
3人で桃畑の脇道で、かぶり付く。
蓬餅が厚く、歯ごたえが良い。
つぶし餡も旨い。
私は、やはり団子の方が・・・。

【季節外れの雪】
安曇野は、こぶしや梅がやっと咲き、初春の様。
国道158号線から乗鞍方面に左折。
長野県に入ってから小雨が降り出していたが、標高が上がると、「霙」から「牡丹雪」に変わった。
今夜のねぐらは、標高約1500mエコーライン脇の大きな駐車場の奥。
ゴアのテント内に、地元波田のスーパー「アップルランド」で確保したダンボールを一面に敷く。
テントの下にはウレタンマット。
更に個人用マットと羽毛全シュラフとゴアのシュラフカバー。
明日の寒い朝に着替えるのを避けて、保温下着に着替える。
さぁ、宴会開始である。
素早く「納豆」をつまみにビールで乾杯。
外は季節外れの雪模様だが、風はない。
テントの入口に三脚を立て、ビニ傘を2本挿して、小さなタープ。
これで、入口を大きく開けても、雪が入らない。
天然鰤のあら(頭と骨)が70円、思わず買ってしまったISAO氏。
焚き火のおき火で兜焼きのつもりだったが、この天気と地面がアスファルトでは焚き火は無理。
そこで塩茹でにする。美味しく楽しめた。
主食は、おでん入り特製鍋と極太うどん。これも旨い。
信州豚がやや硬く、歯が弱ったのか、2人は箸をあまり伸ばさない。
これ幸いと、一人締め。
ビールから焼酎「鍛高譚」(タンタカタン)のお湯割りに移っている。
白菜と塩とでISAO氏の手揉みにより、超早い漬物が出る。
粗引きソーセージを炒めて醤油で香りを付ける。
3時間ほどでお開きとなり、素早くテント内を片付ける。
2枚重ねに靴下を履く。
寝しなにテントの外に出ると雪は止み、月が出ていた。
明日は好天のようだ。

【長い登り】
朝5時に起床。
目覚めのコーヒー。
昨夜、茹でておいた玉子と炒めた粗引きソーセージを挟んだパン。
余ったうどん鍋も綺麗に平らげた。
昼の食料を持たないと、何だか落ち着かないので、さっさとザックに詰める。
ISAO氏が「日焼け止めクリーム」を皆に配る。
雪の乱反射と強い紫外線で、塗らないと「ボロボロ」な顔になりそうな天候である。
霧氷が朝日に輝き美しい。
快晴の7時に約1500m地点を出発する。
花粉は少ないようだ。
この時期、スキー場は営業を止め、今はリフトが動かない。
山スキー登山者は少ないが、単独行のシール登行者に抜かれる。
4本目でリフトの終点、三本滝約1900mに着く。(1本とは休憩と休憩の間の動いている回数)
ここまでスキーをザックに付けて歩いた。





朝は硬い雪なので靴は潜らない。
歩いた方が楽だと。
気温が上り出し、交代で先頭が「バケツ」を掘る。(足跡がない斜面に蹴込んでトレースを造る。)
2番目以降が楽なのだ。
傾斜が緩くなり、シール登行に変える。
30分毎に休むが、太った体(私だけ)・寝不足(寒かった)・運動不足で疲れが厳しい。
ゆっくり登るが、汗が噴出す。
やや急な斜面を越えると、位ヶ原(クライガハラ)約2350m。
視界が開けて、大きな乗鞍岳の大斜面が広がる。
位ヶ原まで行ければと、御の字と皆で言っていたが、稜線が近く見える。
結構疲れたが、この大斜面を見ると、行かない手はないようだ。
岳沢の穂高・焼岳も雲の切れ間から見える。
鞍部の飛騨側から雲が上がってきた。
稜線手前の雪に半分埋もれたトイレを風除けに、2回目の大休止。
食パンにソフトサラミ・半熟玉子・レタスにマヨネーズを挟んで、ウィスキーのお湯割で流し込む。
暖かかった下方の大休止で、ビールは飲んでいる。
太陽が雲で隠れ、体感温度が下がる。
お湯割が上手い。
キツイ最後の登りで、やっと肩の小屋に着く。
約6時間を掛けて、標高差約1400mを登り切った。

【スキーは早いが…】
風除けに小屋の東側に移り、直ぐに下降の準備をする。
曇って来て、コル(鞍部)を抜ける強い風で、とても寒い。
板からシールを剥がすが、飛ばないようザックに入れる。
私のショートスキーの締具が、凍り付いて下降側にスライドしない。
このままでは、登行用のまま紐で固定して滑り降りるかと、頭の中をよぎる。
何の為に6時間も掛けて!
締具の支点に無理が掛かり、破損につながるか?
長い斜面、板を抱えて歩く姿も思い浮かぶ。
手で暖めても、ビクともしない。
樹脂部分をストックの柄でガンガン叩いて、やっと少しずつ動いてくれた。
樹脂部分も壊れずに締具が滑降位置に収まった。
やれやれ、ほっとする。
−10℃以下になっているようで、指先や耳の感覚も無くなる。
長居は無用と、準備ができた私・Na氏・ISAO氏の順で下降開始する。
約10km以上はあるだろうか、日本有数の斜面だ。
稜線近くはアイスバーンも所々あるが、昨夜の降雪もあり、雪面は意外と柔らかい。
煙草のCM映像になりそうなシュプールを思い描きながら、夫々が好き勝手に滑る。




然し、登りと違う筋肉が働くので、短く休みながら一枚バーンを滑る。
人も少なく、非常に快適である。
あっと言う間に、位ヶ原に着く。
ガスはまだ出て来ないが、GPSを持つ2人が先に降りる。
緩い斜面も圧雪された場所を選ぶと、よく滑る。
14時30分、無事駐車場に着いた。約1時間強で高度差1400mを下った。
乾いた場所で、帰り準備する。
疲れたが、充実した山スキーだった。
体重が約2kg減っていた。

------------------------------------------------------------------------

●Ishi紀行・目次に戻る