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【2日連続の山スキー】












日時:06年2月10日(金)夜発、11日(土)、12日(日)

場所:群馬県上州武尊山、西山

参加:イサオ氏、FU氏、NI氏、私(Ishi)

行程:11日・・・10:30武尊牧場スキー場最上部⇔高山平1758m付近(武尊避難小屋)

    12日・・・09:30尾瀬岩鞍スキー場最上部⇔岩鞍南東尾根(仮称)1830m付近

宿泊:全てテント泊

温泉:沼田市利根川川岸の「湯に〜いく」日帰り温泉・・・NI氏のお勧め







中年遊び隊の「山スキーのリーダー」であるNA氏は、仕事都合で今回は不参加。

雪が消えると自転車で、テレマークスキーの達人であるNI氏とは、学生時代から友人。

最近、偉くなり過ぎて暇を持て余している?FU氏は、今年から中年遊び隊に仲間入り。

そのNI氏とFU氏から、「今度の土日に是非!」とか「何処か行かないの?」と催促しきり。

花の咲かない冬は比較的・・・で、ゴアのテント所有のイサオ氏を、迎えに行くからと誘う。

遠出して目一杯遊びたいNI氏とスキーの技のない私とが検討し、行先が決定した。

山の神の「ご安心」の為にも、「担当」や「迎え時間」等を計画書にして、全員にメールする。

するとイサオ氏から「電車で集合場所に行くよ。」と返信が入る。

即、「了解」メールする。

スキーキャリアの取り付けや最近忘れ物が増えたりして、
準備時間が欲しかったのだった。

前日、皆の行動食(煎餅・甘い菓子・サラミ・チーズ・蜜柑等の袋詰)・夜食・朝食を揃える。

この準備で、近所の99円ショップで4000円を越える買い物で、レジのお姉さんもビックリ。

七輪で炭火を焚いて、つまみ作りの宴会も楽しくなるなぁ。

酒手配は、計画書でFU氏と頼んである。

FU氏は、缶ビール12本、箱焼酎1.8L、ウィスキー1本、ノンALビールを購入していた。

準備万端のようである。




【前夜】
定刻、2名がスキーや大きなザックを持って拙宅に集まり、関越道に近いFU宅に向かう。

NI氏は車で来た。

都会に住んでいるイサオ氏は、下りラッシュ時と重なり、狭い大江戸線の車両で苦労する。

例の計画書に、帰りの運転は「交代」とあり、行きは私が運転する。

この4名、煙草は吸わない。

しかし直ぐに酒好きな2名から、ビールの伺い立てが出る。

許可を待たずに、「プッシュ」と2名。

NI氏にはノンALビールがある旨伝えるが
途中から持参のスコッチウィスキーに変えたので、車内にビートの強い香りが充満する。

NI氏にとって、「複流煙ならぬ複流酒」で、酔ってしまいそうだ。

走行車線を巡航速度90Kmくらいで走るが、両脇からドンドン抜かされる。

仕事疲れも多少あり、ユックリとこのまま走る。

沼田ICからR120で「740mの椎坂峠」をノーチェンで越え、「吹き割りの滝」の先を左折。

途中でチェーンを付け、武尊牧場スキー場に付くと、1時頃となった。

ガラガラの駐車場。

奥に車を止め、バリゲード風にする。

車のすぐ横の駐車場角にテントを張る。

深夜の宴会開始。

七輪の炭が熾り、暫く爆ぜる。

ゴアテントへの被害防止の為、コッフェルで蓋をする。

暖めたオデンは、夜食と考えて少量だった。

3名から「ちょっと少ないんで、ないかい!」とクレームを受ける。

計画書の「オデン」に、かなり期待していたようだ。

オデンに餅を入れるアイデアをイサオ氏が出して、皆の「暴動」が収まる。

納豆、枝豆、キムチと消化の良い「つまみ」と焼酎のお湯割りで、2時過ぎにお開き。




【武尊牧場から武尊山へ】
続々来る車の騒音を無視して寝るが、少し明るくなった6時半頃に起き出す。

あまり寒くはない。

駐車係りのオジサンが、1000円徴収に来たが、テント代?は請求なしだった。

朝のドリップコーヒーを楽しみ、パックの赤飯を温める。

食後には緑茶
コッフェルに付いているヤカンは、車の奥の方だった。

取り敢えず、コッフェルのお湯に入れたが、一面に広がる茶っ葉・・・。

「きゅうす」の代わりに、またまたイサオ氏がアイデアを出した。

食べた赤飯のパックの角を、ナイフで×に小さく切れ込みを入れ、内側に少し折った。

コップの上にパックを置くと、溜まった茶っ葉が「漉し器」となり、何と即席「急須」が出来た。

彼は、昨日からアイデアが冴えているが、この手は特技であり日常技なのだ。

愛用の「自転車とカメラ」は、「アイデア」がぎっしり詰まっているのは、ご承知の所。

その場にあるもので「直ぐに何とかする力」は、大したものだ。

JR土合駅のような階段を登ると、ゲレンデ。

1人リフト券2枚計700円で武尊牧場スキー場の最上部へ向かう。

スキーヤーは少なく、ボーダーが95%占めている。

ジャンプ台や横滑り用のベニヤ板等があり、公園か遊園地のようだ。

昔から「音楽ガンガン」のスキー場スタイルは変わらずで、喧しい。

我々4名は、板にシール(登り用道具、逆目状の合成毛皮、昔はアザラシの毛皮)を貼り付けて、
足跡もない雪原に入る。

NI氏はテレマークスキー、他の3名は山スキーである。

山スキーやテレマークの靴は、レバー切り替えやバックル・靴紐を緩めると登りでも使える。

広い尾根道は傾斜は緩くても、先頭は負担が掛かるので、交代で「ラッセル」する。

スキー登行で20cm〜30cm程度の潜りである。

これが登山靴だけだと腰以上まで潜り、カンジキやスノーシュを付けてもスキーより劣る。

潜らず=疲れない訳で、効率良く「雪山登山」が楽しめるのである。

しかも、下山ではシールを剥がして、スキー本来の機能で「滑走」するのである。

「快適」「爽快」「時間節約」・・・で、「折りたたみ自転車」の遊び方と似ているようでもある。

イサオ氏が「GPS」で、「11時方向」とか「あと1.3km」とか「あと150mの登り」と言う。

高一の合宿で、誰かが苦し紛れで下山者に「あと、どの位で着きますか?」とか聞いた。

そんな時、30分以上かかった所を先輩・OBが「あと、5分」とかで、急がせてよく騙された。

GPSがあると、こんな事もなくなるのである。

「先輩、嘘は・・・。僕のGPSでは、水平距離5km、高低差300m、だから約1時間・・・」と。

山頂へ登頂は二の次である、我々は「冬山の美しさや静けさ」を楽しむ。

武尊山の山頂付近は、岩峰・岩溝・クサリ場・急坂と地図にある。

登山靴・アイゼン・ピッケル・ザイルの世界である。

高山平付近で往復する。

避難小屋があるはずだが、見当たらない。

GPSを見ながら「小屋は40m通り過ぎているなぁ」とイサオ氏。

後で、HPで夏の写真を見ると、急な三角屋根で高さ5mくらいの小さな小屋だ。

廻りの樹木の様子から、「雪の中」は間違いない。

NI氏は、ザックの中に新品の「雪スコ」を入れていた。

小振りなスコップはアルミ製で軽く、柄が2倍に伸びる。

「雪洞」を掘るらしいが、「背もたれ椅子」に変わる。

真冬は、ビールよりもウィスキーが合う。

ビールの1杯目は旨いが、冷めた過ぎた。

ウィスキーのストレートを呑み、すぐに水を飲むと丁度よい。

雪景色と行動食をつまみに「宴会」である。

上州の山々が一望であり、サラミ・チーズ・乾き物もある。

ワイワイと過ごし、シールを剥がして下山開始する。

パウダースノー(粉雪)で、捕らえどころがない。

NI氏は、テレマークスキー特有のターンで滑る。

私は、「ボーゲン」・・・「斜滑降」「横滑り」最後は「立ち木制動」。

10数名の登山者が、大荷物で登って来た。

アルミ製のカンジキで歩いている。

行きのシュプール(ラッセルの跡)を使ったり、外れたりしていた。

ゲレンデでは、ボーダー達が真ん中に座り込んでいるので、脇を滑べり降りる。

テントを撤収して、次の目的地に向かう。




Nishi氏撮影






【岩鞍南東尾根から西山へ】

この地は温泉が多いが、「買出し=夕餉・朝・昼」があり、暗くなるので、帰路に入湯とする。

テント場探しは、明るい内に済ます必要があった。

鎌田の集落のコンビニに入るが、食材は「今一」所か「今三」。

NI氏が、「レジのネェーチャンに、スーパーの場所を聞くしかないなぁ〜」と呟く。

「じゃ〜頼むよ〜」
「う・う〜ん、・・・よ〜し」と、トライして聞き出しに成功。

「スーパー401」と言う、アメリカの通商制裁のような名前だった。

国道401号線沿いに、目指すスーパーがあった。

FU氏は、しきりに「魚が食いたい、魚が食いたい」と主張するが・・・。

しかし、中に入ったFU氏が、黙ってしまった。

主な顧客を民宿・ペンション・旅館・・・にしているスーパーであった。

業務用冷凍食品は、アウトレットの店舗と同じ量と種類。

1袋当たりの量が、10〜20名用である。

業務用カレーとか、業務用ドレッシングとか、業務用3斤食パン、業務用・・・。

肝心の魚類は、やや干からびている。

HPを編集しているイサオ氏は車に残り、3名が協議した結果、

夕餉・・・餃子、春巻、焼そば、モヤシと豚肉炒め、ホウレン草のおしたし、玉子焼き、キムチ

朝食・・・バターロール、ハム、ウィンナー、玉子とホウレン草、牛乳、マーガリン

昼食・・・大盛りカップラーメン、煎餅、ビスケット

水は2L×6本あるので足りそうだ。





日中が暖かかったので、路面凍結なく「尾瀬岩鞍スキー場」に着く。

20年前から様変わり。

誰かが、「苗場と同じ」だとか。

駐車場も拡大され、大げさだがディズニーランドのよう。

大駐車場⇔スキー場のシャトルバスもある。

大駐車場の最端の方に場所を決める。

仮設トイレも近くにある。

直ぐに、うす暗くなる。

日帰りの車が続々と減り、ガラガラとなる。

乾杯で宴会開始、焼酎のお湯割りやホットウィスキーで芯から暖める。

分厚いマットに座り、七輪の強い炭火を使い、フライパン片手に多品目少量生産。

マーガリンを溶かして、餅を揚げる。

醤油を垂らすと、染み込んで旨い。

22時頃にお開きとなる。







6時半頃、「起きようぜ」と声を掛ける。

今朝はかなり寒い。

炭火で湯を沸かし、まずドリップコーヒー。

ホットミルクでも体を温める。

もう1袋あったので、朝から焼そば、玉子料理、パンに茹モヤシ入りハム、焼ウィンナー。

昼用にテルモス(魔法瓶)に湯を詰めた。

ここ岩鞍は、スキーヤーが多い。

6名乗りゴンドラ、片道1000円で一気に1680mまで上がる。

今風のウェアを着込んだ、おばさん1人(一廻りは上)が乗り込んで来た。

「よく、来るのですか?」と私。

「岩鞍は初めて。今日はスクールに入って。」と、「電卓」のような装置を胸にしまう。

「それ、見せて下さい」と、NI氏。

なんと、PHSらしき「受信機」で、聞いた事がないメーカー品。

イヤーホンで、離れた教官から指導を聞く。

「これはいいなぁ。講習会で使えそうだ。」と、イサオ氏。

「花の講師」へと話を振ろうかと思ったが・・・。

どうやら「元は山スキーヤー」のようなので、山スキー談義となる。

「ジルブレッタ=ドイツ製の締め具、イサオ氏と私も使っていた」とか、「火打山」とか。

彼女から見れば、若い男4名から話掛けられて、少し「ハイ」になっていた様子。

ゴンドラ山頂は、地吹雪。

建物の陰で、シール貼りや身支度する。

西山の手前から派生する南東尾根に取り付く。

シールが剥がれ出して、専用の糊を塗る。

地吹雪は樹林帯に入ると、多少おさまる。40cmくらいのラッセルを交代して登る。

「何が面白いんだか・・・」と、FU氏がボヤク。

早く温泉に入りたいなぁと思うが、言うとその通りになってしまいそうな雰囲気だ。

「−15℃だ」と、ザックに付けた温度計を見るNI氏。

かなり、寒い。手袋を二重にする。

視界が悪く、広くない尾根道を無言で進む。

何回か交代した時、風の少ない樹林帯の中で、「ここまで」と意見が一致する。

お湯なんか沸かず、カップラーメン2個にテルモスの湯を入れる。

湯は線の半分の量。かき混ぜて、「ややバリバリ」状態で、皆で廻して食べる。

ウィスキーで温まり、下山する。30分前のシュプールが、かき消される。

脇の尾根に入らないように、忠実に尾根道を辿る。

NI氏らは、最高な粉雪を楽しむ。ゲレンデに下りると、ほっとした。

3kmのミルキーウェーを一気に滑る。

JR沼田駅を過ぎ、利根川沿いの待望の温泉で、癒す。

帰りの運転は、交代(NI氏とFU氏)してくれたので、普段滅多に座らない2列目に座った。



  
Nishi氏撮影











以上











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