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【復活の山スキー】
日時:08年4月20日(日)7:30〜12:00 場所:谷川岳熊穴沢 参加:イサオ氏、N氏、私 【腰痛】 年初めから腰痛が酷く、寝返りしても痛む日々が続いた。 よく行くS接骨院の針治療でも治らず、M整形外科でのレントゲンにより、「第5腰椎分離症」と診断された。 ・ 完治しない。 ・ 10kg減量せよ。 ・ コルセットで背筋・腹筋の補強。 ・ 電気治療10分/週1回。 ・ シップ薬の毎日塗布。 ・ 痛み止め服用。 ・ 水泳が腰痛には良い。 の処方と2ヶ月の治療を受け、3月初めに痛みが取れ、下旬には通院不要と言われた。 但し、減量とコルセットは続けるようにと。 一時は、登山や山スキーは「終わり」と考え、旅行くらいしかできないかと思っていた。 励みに、登山用のストックを新調し、水泳用には帽子を用意し、プールの場所も探していた。 【減量】 ・ 大盛り・大食いは止めた。 ・ 間食は控えた。 ・ 食べて直ぐに寝ない。 効果は・・・。まだ出ていないようだなぁ〜。 【自転車】 乗っている分には、腰には負担が軽く楽で良いが、 万一転んだ場合には腰を強打するだろうから、近くの散歩程度とした。 過去に、3〜4回派手に転んだ事があった。 小径の自転車は、特に転びやすい。 【計画】 土日に仕事があり、また天候が悪くて、中々実行できない4月であった。 今年の4月は、雨天が多いのである。 焼山のヘリスキーも誘われたが、仕事だった。 まずまずの天候回復の兆しに、急な誘いを中年遊び隊にする。 場所は、上越谷川岳方面。 西黒沢の熊穴沢は、久し振りの山スキーには手頃らしい。 名前には、由来があるのが普通。 不気味な名前であるし、冬眠明けの空腹な熊に、出会うのも良いか。 【不気味な谷】 新緑の濃い都会から、淡い新緑や大山桜の咲く群馬県北部へ。 ETC2枚により通勤割引(100km以内、17時〜20時以内)、関越道の駒寄PA経由で、 水上へ。1200円お徳だった。 土曜の夕刻に湯檜曽川の対岸で、焚き火キャンプ。 正面に西黒沢。 宴は、納豆・天然鰤刺身・漬物・キムチ、焚き火で焼鳥・秋刀魚塩焼き・焼きソバ・焼餅。 満月に飛行機雲。 酒が尽きた頃、お開きとなる。 3時前に一度起き、5時に起き出す。 朝の焚き火に、コーヒーと卵スープ。 雑煮には、おでんに肉と野菜。 後輩Yが福島のいわき市で自然食を製造・卸販売しており、そのしっかりしたパンも食す。 昼食のソフトサラミ入りサンドイッチと間食(飴・チヨコレート・お好み煎餅)を小分けする。 2人のザックは、コーヒー用のポット等でやや重く、私の負担を軽くしてくれた。 新しい6階建ての巨大な立体駐車場(1000円)。 朝7時から営業開始の新型ロープーウェー(1200円)。 昔、ここの駐車場に天幕を張り、深夜ブルの除雪に天幕を持って皆でウロウロしたなぁ。 眼下に西黒沢の様子を見ながら、一気に約1100mの天神平へ。 気温は高く、高曇りで微風。 ザックにスキー板を固定し、ストックを両手にザラメ雪を蹴込んで天神尾根を進む。 15名くらいの入山者が見える。 10数名の団体は、平均年齢65歳くらい。 アイゼンを引き擦った跡が、ずうっと雪に残っている。 私の初めての雪上訓練では、アイゼンを引き擦ると怒られた。 アイゼンの爪の分まで足を高く上げないと、雪に跡が残る。 凍った雪面では、引き擦るとバランスを崩し、転倒し滑落する。 更に、足の間隔を平行に開け、ガニ股歩きは厳禁である。 同様にアイゼンの爪で、靴やスパッツやズボンを引っ掛ける事がある。 これも転倒・滑落につながる。 ザイルを付けて、ピッケルを使った滑落停止の訓練も、毎年したなぁ・・・。 滑落事故を起こさなければ良いが・・・。 9時に、雪に埋もれた非難小屋に着く。 然し、これから下降しようとする熊穴沢の谷姿を見て、他人の心配している場合ではなかった。 天神尾根側よりも西黒尾根側からの全層雪崩の跡が多く、雪面の亀裂(クラック)も全面的にある。 西黒尾根上には雪庇(セッピ)も残っている。 リスクを少なくして滑降するには、 ・ 素早く田尻沢(スキー場からの下降路出会点)まで降りる。 ・ 雪が締まっている間に降りる。(早い時間帯に) ・ 亀裂の少ない天神尾根側に降り、樹林帯で小休止。(過去に雪崩が少なく太い樹木が多い) ・ シュルンド(雪渓面の亀裂)を確認し、落ちない。 ・ 停止の際には、上部確認や対岸上部確認。 ・ デブリ(雪崩跡)通過は素早く。 ・ 雪崩音(雪庇や亀裂等の崩壊音)の聞き耳。 ・ 沢下部は雪解け水が集まり、中心部は雪厚が薄いので、避ける。 ・ 選択肢として、谷の下降を止めて、尾根を下る。 サンドイッチとコーヒーで腹ごしらえ。 左側のスキー靴の3個あるバックルの中間バックルが回転しない。 不吉な事とは思わないように意識した。 9時半に滑降と決め、ショートスキーでザラメ雪を快適に下る。 ブナの太い樹林帯で、5分休憩。 対岸から2度小さな雪崩起きる。 岩のような雪の塊が落ちる。 天神尾根からのデブリを2度越え、気は急ぐが慎重に素早く滑る。 ※中略※ どんどん滑降する事にする。 ロープーウェーが近くで見える場所まで滑り降り、2人を待つ。 ※中略※ この先からは雪上車で整地された道。 蕗の薹やピンクの野草の花(名前を聞いたが忘れた)を見て、安堵感を浸った。 【下山後】 天幕場に戻り、30分ほど撮影隊と山菜採集に分かれる。 蕗の薹の蕾を10数個採集し、家に帰ってから蕗味噌で食す。 春の苦さを味わう。 スキー靴のバックルも直した。 熊穴沢下降地点、天神尾根非難小屋付近 雪崩の跡、樹林帯のN氏 熊穴沢下部------------------------------------------------------------------------
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